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September 4, 2026

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夏季休会明けの下院に垣間見える、中間選挙戦略

下院が夏季休会から戻り、まずホッとするニュースは、少なくとも12月11日までは政府閉鎖が起こらないことが確定したことです。上院が休会直前の8月7日、下院から送られてきた別の法案の中身をすべて入れ替えることで早急に可決したつなぎ予算法案を下院も可決しました。それも、一切法案を修正することなく、3分の2以上の賛成を要する規則停止の方法によって可決しました。やはり、両党とも中間選挙を控え、政府閉鎖という政治的リスクを回避したいというインセンティブが働いたのでしょう。

つなぎ予算以外にも、中間選挙を見据えた共和党の戦略がにじみ出るような法案と決議が下院を通過しました。ロブスター漁業者保護、国内鉱業保護、そして社会主義への非難。一見すると関係のないテーマですが、なぜ今、これらが相次いで採決されたのでしょうか。そのうちいくつかをご紹介したいと思います。

「2026年北東部ロブスター漁業者保護法」が可決されました。共和党は、規則委員会を通じてこの法案を審議するための特別規則を作成し、迅速に審議を行いました。なぜ今、「ロブスター漁業者」なのかと思われるかもしれませんが、意外にも中間選挙との関係がありそうです。まず、ロブスター漁業といえばメイン州です。メイン州では、共和党現職のSusan Collins上院議員が民主党候補と11月の中間選挙で議席を争います。また、メイン州はカナダとの関税紛争により、中小企業が痛手を受けている州でもあります。さらに、この法案の審議中にも議員が取り上げていましたが、漁船の燃料となるディーゼル燃料の価格高騰により、メイン州のロブスター漁業者は大きな打撃を受けています。そのような状況の中、タイセイヨウセミクジラ保護のための漁業規制の導入を2035年まで延期し、ロブスター漁業の雇用と経済を守る法案を審議・可決した背景には、中間選挙に向けた思惑があるように思えます。

次にご紹介したいのは、「2025年国内鉱業保護法」です。この法案は、2015年に成立したFixing America's Surface Transportation Act(FAST Act)の一部を改正するものです。具体的には、対象プロジェクトに「mining, mineral processing (採鉱、鉱物処理)」を追加し、FAST Actによって設立された連邦許認可改善運営評議会が、鉱業分野の対象プロジェクトの範囲を改定する2023年の提案規則を最終化、実施または執行することを禁止する短い法案です。FAST Actの対象プロジェクトに該当すると、簡単にいえば、行政側には許認可手続の進捗に関する透明性や説明責任が課され、手続の遅延を防止するための枠組みに組み込まれることになります。また、対象プロジェクトについて連邦機関が発行した許認可に対する司法審査が、一定の範囲で制限されることも定められています。

FAST Actには、評議会が過半数の決議によって対象プロジェクトを追加できることも記載されています。評議会は、いったん鉱業についても対象プロジェクトに加えたのですが、2023年に、その範囲をcritical minerals mining projectsに限定する旨の規則案を公表しました。

今回下院で可決された2025年国内鉱業保護法は、鉱業を法律上の対象分野として明示し、行政側が対象を重要鉱物採掘プロジェクトに限定する規則案を最終化、実施または執行することを禁止するものです。

2015年にFAST Actが成立した際、上院では賛成83、反対16、下院では賛成359、反対65という超党派の支持を得て可決されました。しかし、2025年国内鉱業保護法は、賛成218、反対201で、民主党議員ではわずか7名が賛成するという党派的な結果となりました。民主党議員は、トランプ政権関係者が鉱業に投資していること、環境への配慮がおろそかにされるのではないかとの懸念、重要鉱物採掘プロジェクトを優先する必要性などを反対理由として挙げていました。

最後にご紹介したいのは、賛成220、反対192で可決された、法的拘束力を持たない「あらゆる形態の社会主義を非難し、糾弾することその他の目的について定める決議」です。この決議には、「2025年11月に民主社会主義者がニューヨーク市長に選出されて以来、アメリカ民主社会主義者(Democratic Socialists of America、以下「DSA」)と関係を持つ公職候補者が、少なくとも半数の州において100を超える選挙に立候補している」との記載や、「ニュージャージー州が約6,600人の非市民を有権者として登録し、そのうち数百人が実際に選挙で投票したと報告されている」との記載が含まれています。そして、DSAを含むあらゆる形態の社会主義を非難・糾弾し、米国における社会主義政策の実施に反対するとともに、選挙の安全性を確保し、非市民による投票を防ぐための抜け穴を塞ぐことを目的として、SAVE America Actの制定を求めると締めくくっています。討論では、共和党がDSAのウェブサイトの内容を引用しながら民主社会主義を批判した一方、民主党は、トランプ政権下で連邦政府が複数の会社の株式を所有していることを指摘していました。共和党が「社会主義」「非市民投票」を一つのパッケージとして民主党に結び付け、有権者にアピールしようとする狙いがありそうです。

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