You may also be interested in these

米国議会・政策アナリティクス Newsletter 2026年9月21日 ~弁護士の視点から読み解く~
見過ごされがちな二つの決議が示す規制の転換点 ~議会審査法による規則の無効化~ 先週、下院はわずか3日間の会期で78本もの法案・決議を可決しました。その多くは、常設規則を一時的に停止して迅速に審議する「規則停止」によって可決されたものでした。そのなかには、すでに本ニュースレターでご紹介したデータベースに関する「料金支払者保護法」や「2026年リンジー・O・グラハム・ロシア・イラン制裁法」も含まれます。後者は、上院でも可決されており、下院での可決後、署名のために大統領のもとに提示されました。 もっとも、今週のニュースレターで注目したいのは、これらの法案ではなく、報道は多くないものの、共和党と民主党で賛否が大きく分かれ、政策的にも大きな影響を及ぼし得る二つの両院合同決議です。これらの決議は連邦政府の規制動向を理解するうえで重要な「Congressional Review Act」(議会審査法)の対象をさらに広げることによって、カリフォルニア州独自の規制を妨げることを意図したものです。 下院で可決された二つの両院合同決議は、カリフォルニア州の港に停泊する船舶などの非道路用エンジンの排出規制基準等に関して連邦環境保護庁(EPA)が認めた二つの適用除外を議会審査法に基づいて不承認とする決議です。 議会審査法は、連邦政府機関が発行した規則を覆すために、連邦議会が利用できる手段を定めています。詳細を省いて簡単に説明すると、規則を制定した政府機関は各院と会計検査院長に報告する必要がありますが、連邦議会は、両院合同決議の可決後、大統領の署名を得ることによって、その規則を無効にすることができます。 ここで、無効にする手続きについて3つのポイントを説明します。 第一に、一定の法定期間内であれば、上院で迅速審議手続を利用でき、討論時間が制限されるため、通常のフィリバスターを終結させるための5分の3(通常60票)の賛成によるクローチャーを必要とせず、単純多数で可決できます。上院でこの迅速審議手続を利用できるのは、原則として、議会審査法上の議会への提出日又は官報への掲載日のいずれか遅い日を起算点として、60会期日の間に限られます。 第二に、迅速審議手続を利用できる期間が会期をまたいだ場合には、次の会期でも一定期間、上院での迅速審議手続を利用できる、いわゆる「ルックバック」の仕組みがあります。 第三に、両院合同決議は、両院で可決されるだけでは足りず、通常の法律と同様に大統領の署名が必要です。 この三つのポイントを今回の政治状況に当てはめると、現政権下で制定された規則を議会審査法で覆すのは容易ではありません。大統領が拒否権を行使する可能性があり、それを覆すには両院で3分の2以上の賛成が必要となるためです。他方、前政権の終盤に制定された規則であれば、次の政権発足後も一定期間ルックバックの対象となり得ます。そこで、大統領所属政党と両院の多数党が一致していれば、前政権の規則を上院の単純多数で不承認とし、新大統領の署名によって無効にできる可能性があります。実際、2025年には、バイデン政権の終盤で制定された複数の規則について、議会審査法に基づく不承認決議が成立し、これらの規則が無効とされています。 今回下院で可決された二つの両院合同決議には、さらに根本的な法的問題が絡んできます。議会審査法で無効とできる対象は何かという問題です。ここで議会が無効にしようとしているのは、規則案の公表、パブリックコメント、最終規則の公布手続きによって制定される通常の規則ではありません。 排出規制については、連邦法であるClean Air Act(大気浄化法)によって州による規制が制限されており、原則として個々の州が独自の規制をすることには制約があります。ただ、同法は、一定の条件のもとで、環境保護庁が州独自の規制を認める仕組みも設けています。 この決議の審議手続きを議論した下院規則委員会のヒアリングで、民主党のネグース下院議員が、無効にしようとしている環境保護庁の適用除外の認定は「waiver」であって議会審査法の対象となる「rule」ではないので、同法によって認定を覆すことはできないと主張しました。同議員は、会計検査院(GAO)、上院のパーラメンタリアン(議会手続担当官)およびDC連邦地方裁判所の最近の判断を根拠として挙げました。これに対して共和党のパーマー下院議員は、環境保護庁がこれを「waiver」ではなく「regulation」であると判断すれば議会審査法で撤回でき、実際に環境保護庁が適用除外を「regulation」と位置づけ直したと述べました。ネグース議員は、環境保護庁が2025年1月には「waiver」として扱っていたものについて、2026年夏になって突然その扱いを変更し、議会に報告したことにつき、政治的な判断だと批判しました。 実際、環境保護庁は2026年7月22日、対象となる二つの適用除外を議会に提出し、いずれも議会審査法上の「rule」に当たるとの立場を示しました。この提出を起算点とすれば、上院で迅速審議手続の対象となる可能性があり、共和党が多数を占める上院で、単純多数によって両院合同決議を可決できる可能性があります。その場合、大統領の署名を経て、二つの適用除外は無効となり、カリフォルニア州による独自の排出規制は大きな制約を受けることになります。他方、議会審査法が適用されること自体の適法性が争われていることから、訴訟によって最終的な決着までに時間を要する可能性があります。 なお、議会審査法による不承認の効果は、対象となる規則を無効にするだけではありません。議会が後に法律で政府機関に権限を与えない限り、政府機関が不承認とされた規則と「実質的に同一(substantially the same)」の新たな規則を制定することも禁じられます。そのため、将来の政権が実質的に同様の規制を再導入しようとする場合、少なくとも議会審査法上の制約を回避するために新たな立法措置が必要となる可能性があります。さらに、その立法措置が上院でフィリバスターの対象となれば、通常、フィリバスターを終結させるために5分の3(通常60票)以上の賛成票が必要となるため、同様の規制を再導入することはより困難になる可能性があります。 つまり、この両院合同決議が上院でも可決されれば、その効果は将来の政権にも及ぶことになります。Read
Sep 21, 2026
International Trademark Portfolios: When Does It Make Sense to Let a Registration Go?
For many companies, building an international trademark portfolio is a key part of protecting brand value and supporting global growth. Over time, however, trademark portfolios…Read
Sep 16, 2026

Michael Best, New York-based Kane Kessler, P.C. Complete Strategic Combination
National AmLaw 200 firm Michael Best and Kane Kessler, P.C., the highly regarded New York-based law firm with a reputation spanning nearly a century and recognized for its corporate and securities practice, today announced the completion of a strategic combination.Read
Sep 16, 2026


